シルクスクリーンのワークショップ(水性インク編)

何週間か前の話です。

「お前、日曜日の朝何してるん?」

と聞かれて、「そうやな、寝てると思う」と答えると、

「だらだらすんなー!」

と怒られたかと思うと、「シルクスクリーンのワークショップをセッティングしたから、受けたかったらおいで」とのこと。

い、い、い、行くに決まってるやん、と二つ返事で参加を決めて行ってきたのです。先生は、なんとパコ。豚のステッカーを追い求めていた時に(今も探してはいますが、メサプエルカのメンバーは今や壁画をしたりもっと高度なシルクスクリーンを練習しているのです)出会った、違うステッカーで街を賑わしていたあのパコくんです。

まさか後のシルクスクリーンの先生になるとは。予想だにしなかったことですが、ワークショップをオーガナイズしてくれた友達に感謝です。

友達が最近、シルクスクリーンで自分の作品を刷ってみたいというので、色々実験をしていて、シルクの感光を練習したり、また印刷したりしていたのですが、シルクスクリーンの難点として、「めちゃくちゃ化学薬品を使う」ということが挙げられます。

特に、紙に印刷する場合のインクはかなり臭いがきつく、印刷が終わったらすぐにシルクを洗わなければなりません。布用のインクは熱を加えるまでインクが乾かないという特性があります。もちろん、印刷が終わったら目詰まりを起こさないようにインクをすぐに洗い流しておくのが鉄則なのですが、紙用のインクは熱を加えなくても乾燥するので、枠を洗うときもより強力な液を使って洗うことになるのです。

シルクスクリーンは、インクも臭いがきつい、洗浄液も臭いがきつい、ということで、長時間作業をするのに向いていないのだそうです。そこで、環境にも体にも優しい方法はないのかということで行き着いたのが「水性インク」での印刷なのです。

水性インクでのシルクスクリーンの利点は、エコであることと、色を重ねて違う色が表現できるということです。それを学ぼうというのが今回のワークショップの目的でした。

その技術を持った人がいること、そして自分のスタジオも持っているので会場の心配がないということ。そして、大体友達のつてで連絡を取って即興的に開催されるという点は、本当に、オアハカっぽいです。教えられる人も、学びたい人も常にいて、場所もある。素晴らしい環境です。

パコくんのスタジオに15分遅れていくと、まだ一人しか来ていなくて、私から遅れること10分もう一人がやって来て、それからさらに40分、ようやく最後の2人が揃いました。待っている間は、いろいろ話したりコーヒーを淹れてくれたり、パコくん、めっちゃ気遣いの男やな、と思いながらコーヒーをいただきました。

のんびりと始まったワークショップですが、一番感銘を受けたのは、各工程に無駄がなく、作業場がきれいに保たれたまま次々と進んでいくところです。これは本当に素晴らしく、そして、なかなかできないことなのです。それだけ周到に環境が整えられていて、手順を極めているということです。本当、これは見習いたいです。

ワークショップの醍醐味は、実際に自分の目と手で体験しながらできるというところ。そして、疑問に思ったことはその場で質問して解決できるのがいいです。私のしょうもない質問にもていねいに答えてくれて、いいやつだなぁ、パコくんよ。

シルクの目の数の話や、感光液の濃度および保存期間、ガラスの厚さの話など、自分も失敗を重ねて来たからこそたどり着いた黄金比や黄金情報やコツをいとも簡単に教えてくれるからありがたいやら、それらの理由には説得力がありすぎて、もはや拝みたい気持ちでワークショップを受けていました。特に、「こういう失敗があるけど、こういう対処の方法がある」というのは実にためになる話です。

水性のインクは柔らかく、伸びも発色も抜群で、何より驚いたのがにおいがほとんどしないということです。そのため、長時間の作業にもたえられるのです。そして、洗う際も、そのほとんどが水であったりきつくない液であったりと、非常に環境と人間に優しい方法だと学びました。

水性インクで刷った作品と、油性インクで刷った作品を見せてもらいました。油性の方がマットな印象で、隙間がなく、色が紙の上に乗っているという印象を受け、触った時の感じもぼこぼことしています。その感じもかっこいいですが、幾つもの版を重ねて完成させて行く様子を想像したらうっとりします。(もちろん、やったことがないのでまだまだ憧れというレベルでのうっとり具合、つまり夢物語です。)油性インクや版画と比較すると水性インクは乾くのが早いので、割に早く色を塗り重ねられるのがいいなという印象を持ちました。

後日、このワークショップで習ったことを使って太陽光での感光を試みました。そして見事成功し他ので、ガッツポーズです。太陽で感光する方法を成功させてしまうと、たった25秒足らずで版を作ることができます。これは、もはや革命。(私の中で。)おそらく太陽が先で、夜や十分な光がないときに電球を使ったやり方が開発されたのではないかと思いますが、私は逆から入ったのでたった数十秒でできてしまうこの方法は本当に驚きの工程なのでした。

途中曇ったり、数えるスピードが良くなかったのか何度か失敗もしましたが、ワークショップの時に見たようにきれいに感光された部分の液が洗い流されていくのを見るのはかなり快感でした。

一つのことができるようになると、まだまだいくつもできないことがあることを知ります。こういうのを深みにはまっていくというのでしょうか。挑戦はまだまだ続きそうです。

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