ボールと友達

今、この言葉が頭の中をぐるぐる回っています。ちなみに、これは確か漫画「キャプテン翼」のつばさくんが言っていた台詞です。

シルクスクリーンで刷ったインクは熱を加えるまでは定着しません。ドライヤーや家庭用のアイロンではインクが乾き切らず、洗濯すると取れてしまったり消えてしまったりするのです。そのため高温の熱を一定時間加えなければなりません。その工程がどうしても家ではできないので友達に頼んでシルクスクリーンようのアイロンを貸してもらいました。

ちょうど大きな作品が刷り終わったらしく、一枚一枚にサインをしているところでした。

今までは、額装されて壁にかかっているものしか見たことがなかったのですが間近で見た作品の迫力に後ずさりする思いでした。実際には後ずさりせずに、インクが乗っている様子や、一本一本の線の美しさを見るためにぐっと顔を近づけてほれぼれとしていました。

白と黒。

版画なので、使われているのはこの2色だけです。太い線や細い線、黒いエリアと白いエリア。まだ乾いていないテカテカとしたインクの質感も相まってか、その2色が紙の上で踊っているかのように見えるほどでした。これはあっぱれすぎるのでもはや笑うしかない、というレベル。そしてつぶやきました。

「う、うらやましすぎる。この白黒の2色と完全に友達ではないか」

美しい。正直な気持ちです。その美しいイメージをずっと眺めていたい、そんな気持ちになります。「ずっと眺めていたい」「眺めても眺めても全然飽きない」美術をきちんと学校で習ったことのない私は難しい考察はできませんが、自分が「好きだな、この人の作品」と思うときは大抵この「ずっと眺めていたい」という気持ちになって目が離せなくなります。

もうこうなったら質問攻めです。

「いつから親友なん?」

「こんなに友達になるまで何年くらいかかったん?」

「ギャーーーーー」

この最強に馬鹿な質問にも笑いながら付き合ってくれる友達は、本当に人ができているなぁとつくづく感じます。おそらくキャプテン翼のことを知らないであろう友人に何を聞いているんだよ、という感じですが、すごい人たちに直接聞けるチャンスなんだからと私のイタイところを全開です。

オアハカに来て、絵を描くことやものを作ることがもっと身近になりました。材料費が安いので、試してみたいという欲求を割りに簡単に叶えられるという理由もありますが、誰でもやっていいんだぜ、という風土があるからそれが追い風になっているような気がします。自分が作ったり描いたりしたものは美しいと思うことはあんまりないのですが、でも自分の書いたものをわりにじろじろと長い間眺めるのは好きです。その間に友情が生まれているのかはまだわかりません。

私もできれば白と黒と友達になってみたいと思っています。

別の友達に言われました。

「今の1000万倍描かなきゃな」

よし。

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