メヒコのメトロ

このCDMX滞在中、できるだけ毎日ブログを更新したいと思っている。というのも、滞在している場所があんまり治安が良くないと噂の地区らしい。だからなるべく早く帰るようにしようと思っていて、早く家にいると結構時間があるのだ。普段と違う景色を見たり人と接しているのでいろいろと考えたり感じたりするので、それをちゃんと記録してみようか、というわけだ。

ワークショップを受講しているスタジオまではメトロで通っているのだが、メヒコメトロ、やはり何度乗っても強烈である。

物を売っている人が各駅ごとに乗り込んできて、一番最初にそれを見た時は本当に驚いた。小さなランプをピカピカさせながらでかい声で「ディエスペソーーース!!(10ペソ)」とか叫んだおばさんが突然乗り込んできたかと思いきや、次の駅で降りて行って、次にはCD売りのお兄さんが声を張り上げている、といった具合である。

その時は、頼むから私に売りつけんといてくれ、と思いながらバックパックを握る手にぐっと力が入ったのを覚えている。しかし慣れてきてその様子を観察できるようになってきてみていると、誰がこんなところで物を買うねん、と突っ込む余裕ができ、さらに観察していると携帯の画面のカバーやお菓子などがちょくちょく売れていることに気が付いた。確かに、値段を聞いていたら店で買うよりも絶妙に安いのだ。

お菓子などは10ペソくらいのものが多く、ちょっと小腹が減った時に確かに買いたい気持ちになる。先日、若い女の人がグラノーラバー的なやつを2個買って、一つをカバンにしまって、一つをパクパクとその場で食べ始めたのを見て、

「おおお、めっちゃこなれている!!私もあんな感じでお菓子を買ってみたい!!」

と思った。そうして、またメトロに乗っていると、いろいろな物売りがやってきた。ガム10ペソ、手元を照らすランプ10ペソ、携帯のジャックからUSBに接続できるアダプター10ペソ、イヤホン20ペソ、などなど。

売り方も様々で、大きな声で叫ぶのが一般的だけど、無口な女性がいきなり人々の手やひざにお菓子を持たせて車両を進んでいく。そして、後がえって買う人からはお金を回収、買わない人からは持たせたお菓子を回収していくのだ。おいて一言くらい値段とか言うのかと思いきや、無言でお菓子を回収していっていて、その様子がちょっと鬼気迫る感じでなんかこれは狂気的やな、と思いながら見ていた。

2号線に乗ったら他の線よりも新しい車両で、驚いたことに車両と車両の間が通り抜けできるのである。メヒコのメトロは1両独立型が多く通り抜けができないので、駅ごとにものを売る人たちがダッシュで車両間を移動しているのだが、この通り抜け可能タイプでは、ものを売る人同士の声がぶつからないように、一人が「ガム10ペソ~!!」と叫んでいる間は、ほかのものを持った人はしんと黙って自分の番を待っていたのが興味深かった。

やっぱりカオス的に見えていた光景も、落ち着いてみたらそこには暗黙のルールのようなものが存在しているし、需要があるから供給もあるのだなということが見えてきてとても面白いと思った。

そして、その新しい車両で何よりもびっくりしたのが車内アナウンスがあったことである。日本では次の駅のアナウンスがあるのは当たり前で、最近では日本語以外に英語、中国語、韓国語などの多言語での案内があったり、ほかの線への乗り換えも教えてくれるので、本当にぼんやりと乗っていることができる。メヒコのメトロやバス一般は基本的にはノーアナウンスである。だから、自分が今どこにいるのかを確認するために、駅に着くたびに必死で駅ロゴを探す。そう、駅名ではなくロゴなのだ。

メヒコメトロは各駅にその地域や駅を表したロゴタイプが設定されていて、駅名よりもそのロゴタイプで駅を判別する感じで、最初はなんてわかりにくいんだ、と思っていた。慣れてくると、駅名のほうが難しくて「○○の絵」と駅を見つける方が簡単に感じてくるのでなれとは恐ろしいと思う。

そのアナウンス付きのメトロに感動していると、ものすごく野太い声で「乾燥フルーツとナッツ」(トレイルミックスのようなお菓子)と聞こえた。しかもチョコレート入りで私の好きなやつである。

さっと10ペソを準備して、売り子のお姉さんに目でサインを送る。するとささっと寄ってきてくれて、無事に買うことができた。メトロでお菓子を買う、初成功である。いやぁ、なんだろう、この謎の達成感は。

と、にやにやした日もあったかと思えば、ドアが一回で閉まらずに少し開きなおして、その後これはギロチンか何かですかというくらいに勢いよく閉まったのをみて、なんと容赦ない、と一人目を丸くしながらの乗車の時もある。

他にも驚いたのは、女性専用車両に乗るようにしているのだが、ある日男が女性専用車両のドアをめがけて乗り込んで来ようとした。すると、警備にあたっていた警察にその男は引っ張られた。それでも乗り込んで来ようとする男。必死で阻止する警官。もみくちゃになっているとドアが閉まりかけて、警察がドアに挟まれ、でも男が中に入らないように死守。男はものすごい勢いで警察につかみかかって、警察もそれに応戦して外に突き出して壁際に男がドン、で、二人が取っ組み合いをはじめて、というのが一つ向こうのドアのところで繰り広げられていて、げげげ、と思ってると、そのままドアが閉まって取っ組み合いの二人が車窓に小さく消えていく、という乗車体験もあって、これはカオスかもしれない、と思いながらサンキュー警察のおっちゃんと心の中で礼を言った。

CDMXは、やはりオアハカとは違い人が圧倒的に多いし、オアハカの観光客がうようよいる感じとは違い、もっと生々しい現実というか生活の空気が漂っている。視覚で感じる情報量というかエネルギーがものすごく強いし、町の雰囲気もパワーにあふれている。だからそれを少しでも自分がどう受け取ったのか消化するためブログを毎日書き留めておいた方がいい、という気持ちになっているのかもしれない。

でも、CDMXはオアハカよりも標高が高くて朝晩涼しく快適春真っ盛りで上の写真のようなうららかな場所もある。ハカランダの花が一斉に咲いていて桜のよう。

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