ABOUT THE PROJECT

メヒコのこと

メヒコとは、スペイン語でメキシコのことを指します。私は、2009年にメヒコで仕事をすることになったのをきっかけにメヒコとのかかわりを持つようになりました。

行ってみるまでは、「タコス」とか「ひげのおっちゃん」「サボテン」といったステレオタイプのイメージしか持っていなかったのですが、実際に住み始めてみると確かに「タコス」も「ひげのおっちゃん」も「サボテン」もあるのですが、それらが荒野にあるというわけではありませんでした。高い高層ビルや交通渋滞も目にして、思っていたよりも都会で驚いたのを覚えています。しかし、メルカド(市場)に行くと、野菜や果物が山積みになっていて、それらが量り売りされていたりして、日本ではあまり見かけない景色だと思ったのも覚えています。

一言では到底表すことができない国、メヒコ。

住むにつれてわかったようになったり、住めば住むほどわからないことが増えているような気になる国、メヒコ。

この国の持つ、いい意味と悪い意味の両方での複雑さと深みのとりこになってしまいました。

そして、日本に帰ってきたときのこと、誰もメヒコのことを話していないことに衝撃を受けたのです。

あんなに面白くて変な国なのに、日々の話題に上がらないなんて!!

とショックを受けるやら、「メヒコのことをもっとたくさんの人に知ってもらわないと!」という謎の使命感のようなものが生まれてきたのでした。(もっとも、メヒコのことをもっといろいろ広めたい!というのは私に限ったことではなく、メヒコで出会った人たちにはそういう人が多いような気がします。)おそらく、メヒコという国の持つ力なのでしょう。

ロテリアのこと

ロテリアとは、メヒコのビンゴゲームのようなカードゲームです。家族で遊ばれるものなのに、よく見ると、なんでこんな単語のチョイスなんやろう……というものが多い何ともシュールなカードゲームで、メヒコの民芸品の素材としても使われていることもしばしばです。

素朴なメヒコの民芸品が大好きな私としては、このロテリアにはかなり興味津々で、こんな柄のTシャツがあったらたのしいなと思っていたのです。

メヒコTプロジェクトの始まり

また、変な柄のTシャツを着ていて「なに、そのTシャツ?」などと人に尋ねられた日には、「実はこれはメヒコのロテリアという……」というメヒコについて話すきっかけをつくれるかもしれないとも考えたのです。

当時練習していたイラストレーターで、EL BORRACHO(エルボラチョ/よっぱらい)をトレーシングしてみたら、めちゃくちゃおもしろくて、こんなTシャツを着てみたいと思ったのです。1枚だけ作るわけにもいかないので、友だちを誘ってこのTシャツを買ってくれないかと持ち掛けたのです。

「おもしろいからいいで!」

というノリと友だちの後押しもあって、本当に作ることになったのが、このプロジェクトが始まりました。

大メキシコ展

ロテリアから拝借したデザインから始まって、2013年8月には、大阪のBeats Galleryのご厚意により『大メキシコ展』なるものを開催させてもらい、メヒコTシャツプロジェクト熱が私の中でさらに過熱しました。「メヒコが好きや~好きや~」と叫びまくっていて得た展覧会のチャンス。漠然と「メヒコを伝えたい」と思っていた私は、ここで「メヒコ」と再び向き合うことになりました。「何を伝えたいのか?!」。難しいなぁ~~、と思いながら、結局至った結論が「自分が楽しめばそれで伝わるはず!!」というわけで、とにかく楽しむことに徹した大メキシコ展。

そんな自由な「大メキシコ展」を経て降りてきたメヒコエッセンスもりもりなデザインをさらに追加して、現在に至っています。ほそぼそと、しかし、めちゃくちゃ楽しみながら進行中のプロジェクトです。

しかしながら、個人でしているプロジェクトゆえ、ある程度注文が集まりそうなめどがついてからの受注生産という販売のスタイルをとっています。

メヒコTプロジェクト、現在

一度日本に返ってきてしばらく日本に暮らしていたのですが、2014年に再びメヒコで働けることになり、メヒコに住みに出かけました。

今度はオアハカという南部の町でした。そこでメヒコTを着ていると、友だちになった男の子が「おもしろいTシャツ着てるな!」と、メヒコTがまさかの逆輸入的にメヒコ人にウケるということになって喜んでいると、友だちがシルクスクリーンのワークショップを見つけてくれました。

日本では、デザインだけをしてそのあとは外注で作ってもらっていたのですが、ここへきて、デザイン→製版→印刷とすべての工程を自分でするという技術を学ぶ機会に恵まれたのでした。

太陽の光を使って露光するというデジタルな世間と真逆を行くオールドスクールスタイルでシルクスクリーンの技術をまなび、2020年に日本に帰ってきてからは、日本の太陽を使ってシルクスクリーン印刷をしています。

メヒコTものろのろとしたスピードですが、生活や暮らしの中で、新しいデザインを追加しつつ現在に至っています。

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